お店について

叢田一範さんが、単身ケーキ作りの修行のためフランスに渡ったのは高校卒業の1年後。
東京中を見て回ったが、材料、道具、環境すべてに納得できるお店が1件もなかったのが、

フランスに渡った理由。
物心ついた頃には「世界一のケーキ屋さんになる」が夢だった叢田さんは、

お父さんのケーキつくりを見て育ち、2歳の頃にはお菓子を作っていたそうです。


フランスで本物の味に触れた叢田さんは、

日本に帰って来てからは本物の味の再現に全力を注ぎこむことになります。
日本に帰ってきて、同じ材料を使って、フランスと同じように作って見るのですが、

何度作っても同じ物はできない、

 

なぜだろうとレシピを紐解いていくと、同じだと思っていた材料でも日本のものとでは、

小麦粉の粒子、卵の濃度、バターの性質、塩の成分など微妙に違ってますし、

オーブンやミキサーなどの機械も違う。それらの原因が味のぶれを生んでいたのです。


叢田さんは自分が納得できる味を出すために、厨房の設備をフランスと同じものに入れ替え、

小麦粉や塩のサンプルをフランスから持ち帰り、まるで「ケーキの神様に」身も心も

捧げたかのように来る日も来る日も深夜まで休日返上で試行錯誤が続きました。

 

幾度となく過労で倒れ、それでも何一つ妥協することはなかったそうです。(汗)
材料を替え機械を替え、何度も何度も焼き比べ、ついには日本とフランスの湿度や気圧、

環境の違いで、味覚にどういう影響がでるのだろうか?その違いを感じたくてフランスと同じ

レシピで焼いたケーキ(マカロンやサブレカシスなど)を持ってフランスに飛び、

パリの空の下で食べ比べたこともあったそうです。


こだわりにこだわり叢田さんが納得できるケーキが作れるようになるまで16年もかかったそうです。

 

「ケーキつくりに対して自分の思想や理念、あるべき姿が見えていました、
それに向かってまっすぐ歩いてきたので16年もかかってしまいました・・・

でも納得のいく16年だったと思います。」
16年かけて積み上げた基礎があるから、叢田さんの作るケーキにはぶれがなく、
ピュアで まっすぐ感性に突き刺さってくるのです。

 

※本文は~サトー商会 製菓友の会 会誌~SUGAR TIME 倶楽部に掲載されたものを編集したものです。