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シェフの独り言

  • 執筆者の写真: MURATA
    MURATA
  • 6月19日
  • 読了時間: 3分

MURATA|Bean to Bar Chocolate

シェフの独り言

チョコレートを食べるのは昔から好きでした。

でも正直、

ショコラティエになるつもりはなかったんです。

僕らの世界で、ショコラティエといえばまずは、ボンボンショコラなんです

ボンボンショコラみたいに、

何百個も同じものを作り続けるような世界は、

発明とか開発に軸足を置く自分には向かないと

思っていましたから。

市販のチョコレートを使って、組み合わせただけの

地味で、細かくて、淡々とした作業。そんな仕事に魂は宿らないと、性に合わないなと決めていたのです。


ところがある日、知り合いからたまたま

カカオビーンズをもらって、勧められるまま

試しに焙煎してチョコレートを作ってみたんです。

そしたら、ペーストになった瞬間、本来では製造過程で飛ばしてしまう強力な成分で

頭の奥が痺れるような感覚に襲われそれはそれは

心脳そこまで揺さぶられるような衝撃がありました。


「これだったのか」

そう思いました。

探していた風味、感覚、それが突然そこにあったんです。

ビーントゥーバーだったら、タブレットだけなので悪くないし

あの衝撃の風味を閉じ込めたたい一心で!

そこからは、もう流されるようにして作り続けるようになっていきました。


せっかく手間ひまかけて作ったチョコレートだから、

その想いや質感をちゃんと伝えたくて、

パッケージにも力を入れるようになった。

ひらめきが重なって、気づいたら、形になっていたんです。


最初はタブレットだけのつもりだったんですが、

結局、あれだけ苦手だと思っていたボンボンショコラにも、

自家製のチョコレートで作ると、他にフルーツなどのフレーバーとかを合わせなくても、めちゃくちゃ美味しくて

少しずつ惹かれていってしまって。

やり始めると、そこにしかない面白さがあることに、気づかされました。


今、ここにあるショコラは、

そんなふうにして、気がつけば、猛烈な時間をつぎ込んで。

自分でも思いがけない流れのなかから生まれてきたものです。

今世の中は材料費が上がり、人件費が上がり、そのおかげで物価が上がって不景気になって消費が低迷していますが、

決して安くないというか、かなり高額なビーントゥバーショコラ関連が真っ先に売れなくなるだろうと思っていたら、

チョコレートは少しずつですがずっと伸び続けているんですよね。結局ものが多すぎてそれも安ものが

で一見不景気に見えるけど、お客様は本物にはしっかり対価を払うって言うことを感じます。というかもう無駄遣い安物買いはしないで本物だけ買って生きていくって言うような生活にシフトしてきてるような感じがします。

本物のカカオから作ったチョコレートって

すごく価値があってね、その価値は食べた人の心に刻まれ

伝播していくんでしょうね。

それにしても、ビーントウバーを始めてからは

セオリーがほとんどなかったので、試行錯誤の連続で

死ぬかと思いましたよ。

まぁ、何でも効率化されてインスタなんかでもおいしそうなスイーツが花しくアップされ続けていますが

僕がやってるビーントゥーバー、チョコレートの世界は

なかなかインスタ映えしづらくて、ぱっと見地味ですが

本物の中の本物が少しずつに認められてきて伸びてきていると言うのは嬉しいものですよ

今後も最高の芯のある味を作っていくのでよろしくお願いします!

最後の画像は出来立てのチョコレートを流して固めたときにできた結晶の写真です。ビーントウバーの手作りならではな

美しさがでました。

シェフショコラティエのMURATAでした。


 
 
 

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